アナログ 1
 CDの出現でアナログレコードは完全に駆逐されると、思っていた。しかし現実はどうだろう。
一部のマニアの間では、相変らずアナログレコードは熱い支持を得ている。私はそれ程オーディオに詳しくないのだが、音楽ソースによってはCDよりアナログレコードの方が雰囲気がある。つまり音が良く感じる物がある事は、経験から断言してよい。
たぶん工学的なあるいは科学的な音の分析を行えばアナログレコードの音はCDの足元にもおよばないのだろう。
しかし人間の耳は測定器ではない。音には好みもあるし、記憶の底に眠る感動もある。私は初めて買ってもらったラジカセ、ナショナルマックで聴いたカーペンターズの歌声が、その後のどんな高級オーディオの音より忘れられない。ことほどさように個人差の激しい世界であるし、考え様によっては、いいかげんな世界でもあるので、趣味の世界は面白いのである。また保守的な世界でもある。