昭和レトロ35 網目紋飯椀

網目紋の飯椀は中風の予防になるとの民俗信仰から昭和時代に御爺ちゃん御婆ちゃんがよく使っていました、ブルーの水玉文様と並んで昭和を代表する身近なデザインですね。
さて古美術なり骨董なりに興味を持って感じることは現代には腕の良い職人がいなくなったという事。
写真は昭和30年の飯椀で形はシャープですし網目紋もふんわりと感じよく掛かっています、この頃は明治時代の職人に鍛えられた名人がまだまだ沢山いたんですね。
現在でも同じ物が作られています、一見大した違いは無さそうですが比較してみたらそれはもう御話にならない程の腕(技術)の差があるのです。
(今作られた物だけを見ていたら十分に良いとも言えるのですが、プロの技とか名人の域とはとても言えません)
今この手の業界は飯椀一つまともに作れないほど衰退してしまいました、物作りを誇りとする日本の現場はこのままで良いのでしょうか、おそらく大半の責任は教育システムにあるのだと思います。
わけのわからない芸術家は沢山いるんですけれどね。







                          2010−10ー23